フレーベル西が丘みらい園は、令和6年度「とうきょう すくわくプログラム」に参加いたしました。
1.活動のテーマ
<テーマ>
『野菜の栽培 –植物と、それを取り巻く環境「土」「太陽」の力を知る-』
<テーマの設定理由>
植物や自然に対する関心を高めている子どもたち。身近な屋上庭園での栽培活動を通して身近な植物に親しみ、植物の面白さや不思議さに触れ、より関心を深めるため。
2.活動スケジュール
【こども会議、テーマ設定】
「野菜ってどう育つの?」「なぜ土や太陽が必要なの?」「土って何?」という子どもたちからの問を軸にテーマを設定していく。
【環境をデザイン】
・子どもたちと話し合える「こども会議スペース」の設定
・野菜の苗、種
・室内での栽培環境を整える
・土粘土を用意し、遊びの中で「土」とは何か、体感する。
【探究活動の実践、記録】
日々の世話、観察から収穫に至るまで、ドキュメンテーション記録を軸に作成していく。
3.活動のために準備した素材、道具及び環境の設定
・屋上庭園の畑の整備、苗・種の購入。
・室内での栽培環境(プランター・ライト) ・堆肥木枠作成
・室内の環境整備(観察、描画による表現ができるコーナーの設置)
・土粘土の購入、設置
4.探究活動の実践
<活動の内容>
・4月 苗植え ・5−7月 毎日の観察と世話 収穫、観察、試食
・6−8月 土粘土遊びを通した土の探究
・8月 畑の整備 冬野菜会議 ・9月 種まき、室内屋外同時栽培
・10−3月 毎日の観察と世話 収穫、観察、試食
・12月 落ち葉堆肥づくり
<活動中の子供の姿・声、子供同士や保育者との関わり〉
・さまざまな野菜に毎日触れていく中で、それぞれの育ち方、形や大きさなどの違いに気づく。
・体験を通した気付きの中でもっと知りたいという気持ちを育んだ。
・育てたい野菜のために雑草を抜くという営みの中で、「雑草ってどれのこと?」という疑問が浮かぶと、
・はじめは大きさで見分けていたが、葉の形に着目。「雑草はお花のかたち。さつまいもは、じてんしゃの乗るところ。」
・地面を這うように伸びていくスイカ。他の野菜は空に向かって伸びていくのに。違いに気づく。
・つるを持ち上げて、「なんで、上にのびないの?」それぞれの植物の性質に触れ、関心を深めていくとともに
・生き物の多様性の不思議を面白がる姿だ。
・観察して感じたことや、新たな発見を表現する子どもたち。「嫌なにおい」を表情で。「気になる形」を絵に描いて。
・「こんなに大きい」を全身で。お互いの表現に刺激を貰い合いながら、より自分らしい表現へ向かっていく。
・多様な表現を受け入れる心。受け入れられるからこそできる豊かな表現。表現の中に、子どもたちの育ちが見えた。
5.振り返り
<振り返りによって得た職員の気づき>
・毎日観察してきたが、継続した活動を行っていると、それぞれの子どもたちが興味を持ったタイミングで、自分から参加することできる。またずっと継続して楽しんだ子供達にとって、自信につながる。
・子どもの「やってみたい」を信じ、できる限り叶えようと共に考える中で、大人も予想しない面白さを体験することができる。
・子ども同士の話し合いなどを異年齢で行う中で、年下の子は年上の姿をよくみており、発言せずともさまざまに考え、思考力を育てていること。異年齢での活動の良さ。
・目の前の子ども達の姿から、今何を経験しているのかを捉え、次にどのような経験が必要か、そのためにどのような環境があれば良いか、と考えることの重要性。
とうきょう すくわくプログラムとは?(東京都 すくわくポータルより)
本プログラムは、東京都と東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター(CEDEP)との協定の下、東京都の「とうきょう すくわくプログラム推進事業」として策定したものです。
CEDEPのホームページでもご紹介しています。
「とうきょう すくわくプログラム」とはすべての乳幼児の「伸びる・育つ(すくすく)」と「好奇心・探究心(わくわく)」を応援する幼保共通のプログラムです。乳幼児の豊かな心の育ちをサポートするため、主体的・協働的な探究活動を通じて幼児教育・保育の充実を図ることを目的としています。
プログラムでは、各園の環境や強みを活かしながら、「光」「音」「植物」など各園が設定するテーマに沿って、乳幼児の興味・関心に応じた探究活動を実践することで、乳幼児の成長・発達をサポートしていきます。